こんにちは、コーディーです。
米国債権の2年ものと10年もので逆イールドが発生し、景気後退懸念から株式が大きく売られたものの、また次の日には反発に回るなど、株式市場は神経質な展開が続いています。
さて、この逆イールドは、景気後退が始まる前に表れている現象であることから、世界中の投資家が注視している現象ですが、2008年のリーマンショックの前にも現れていました。
そのリーマンショックでカラ売りを仕掛け大儲けした投資家達にスポットを当てた映画があります。
投資をしている方なら観ている方も多いかもしれませんが、タイトルは「マネー・ショート 華麗なる大逆転」です。
コーディーは一人TOHOシネマズで興奮しながら観たのですが、その結果、翌日から空売りしたくてたまらなくなりましたw
<目次>
「マネー・ショート」のざっくりとしたストーリー
「マネー・ショート」は、2016年(日本)に上映された映画で、リーマンショック直前の米国を舞台としています。
当時の米国は住宅価格が高騰し続けており、家を保有する人々の資産価値が増大していきますが、住宅ブームの波は移民者やストリッパーなどの信用力が低い人々にも拡がり、そういった人々にも融資が行われます。
信用力の低い人向けのローンがサブ・プライムローンですが、一般的なローンがプライムローンと言うことに対しての「サブ」という位置づけです。
CDOが世界中に売りさばかれていく
やがて、信用力が高い債権(社債など)や低い債権(サブ・プライムローン)など、様々な格付けの債権を一まとめにパックしたCDO(債務担保証券)と呼ばれる債権が大量に発行され、世界中に売られました。
CDOのすごいところは単体では低い格付けの債権でも、CDOとしてごちゃ混ぜにすることで新たにトリプルAといった高い格付けを付与されていたことです。
CDOは構成が複雑だったため中身を理解することが難しいものですが、投資家は格付け会社が付けた高い格付を信用して買いあさり、販売側も莫大な手数料を手に入れてこの世の春を迎えていました。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)に投資する
そんな楽観的な市場に不穏な空気を感じ取ったマイケル・バーリをはじめとする複数の投資家達は、近い将来バブルが弾けると予想します。
投資家達は、サブ・プライムローンが破綻(=組み込まれているCDOが破綻)すると読むわけですが、CDO自体は空売りできないため、その代わりにCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)と呼ばれる金融商品を購入します。
CDSはいわば保険のようなもので、保険料を払う代わりに、対象となる債権が破綻したり債務不履行となった際に、その損失を補填してもらえるといった代物です。
CDSを購入することで、かたち上、債権の空売り(ショート)を行ったということですね。
自分の投資方針をつらぬく
興味深い描写があるのですが、マイケルがCDSを大量に保有するためにゴールドマン・サックスを訪れます。
対応したゴールドマンの職員の誰もがCDOが債務不履行になることは起こりえないと信じ込んでおり、低リスクで大儲けできるということで「濡れ手で粟」状態に大喜びでした(その時だけは・・・)。
そして、大量にCDSを買い、巨額の保険料を払おうとするマイケルのことを影で嘲笑するのです。
それでもマイケルは、自分の信じた道を突き進みます。
保険料の支払いでマイナスリターンを出し続け、自分の会社の職員がみんな辞めていって独りになってしまってもです。
それはものすごい胆力と精神力のなせるわざです。人の域を超えていますね。
そして最後は自身の予想どおりリーマンショックが勃発して巨額のリターンを手にするのです!
(マイケルがどれだけ稼いだかは映画を観てからのお楽しみ!)
いかがでしたでしょうか。
書いていてまた観たくなってきました。
久しぶりに観ると色々と気づきがあるかもしれませんね!
マイケルが投資する日本株
ちなみにですが、マイケルは日本株にも投資しています。
大量保有報告書で出ているものだけですが、以下に挙げておきます。
2019年9月29日付のブルームバーグの記事にマイケルが出ていましたが、マイケルは、現在はパッシブ投資はバブルと見ており、世間が大型株へ向かう流れの中で放置されている中小型株のバリュー投資に勝機を見出しているそうです。
そういった投資方針から、上記のような日本の中小型株へ投資しているのですね。
うまく華開いて、またもや爆益を手にするのでしょうか。
P.S.
「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」というタイトルで文庫本も出ていますが、こちらが原作です(マイケル・ルイス原作)。
映画では語りきれていない詳細な部分も描写され、手に汗握りながら読み進めていけます。
かなりおすすめです。
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