塵積む者のマネーブログ

資産運用で、もがき楽しむ日々をブログに綴っています。 米国株・日本株や投資信託への投資、株主優待の取得をコツコツと行いながら、少しずつ山を築いていきます。

ANAホールディングスの株主総会で修正動議の提案が不発に終わった件



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2018年6月28日開催のANAホールディングス(9202)の株主総会に出席しました。

 

午前10時から開始したのち約40分間にわたり、事業報告・計算書類の報告や審議事項の説明が行われ、10:40頃から質疑応答の時間が始まりました。

 

その所要時間は1時間半!

 

聞いてるだけの私もクタクタです。

でもなかなか興味深いことがあったのでご紹介します。

 <目次>

修正動議の提案が出た

質疑応答も終盤になったころ、株主席から

 

「修正動議!修正動議!」

 

との声が上がりました。

 

株主はマイクで修正動議の内容を話すわけですが、ざっくり言うと

「配当が少なすぎる。配当性向が20%をきってるため、40%になるように計算し直して、その額を配当して欲しい」

とのことでした。

 

これは結局、修正動議として扱われることはありませんでした

 

なぜでしょうか?

 

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修正動議とは

動議には、①決議事項の内容に関する修正動議と②議事運営に関する動議の二つがあります。

 

②は議長不信任や休憩、審議事項の順序変更など議事運営上の様々な内容を動議として提案できます。 

今回は①のパターンですね。

 

修正動議には修正が可能な範囲があります。

これは「総会が議案を修正して有効に決議できる範囲」であり、議案の内容から大体予想できる範囲の補充や変更をいいます。

 

要するに原案から何でもかんでも修正するということはできないのです。

 

ただし、どこまでが変更範囲として認められるかの基準が確立されていないので、総会で修正動議と言われたら、事務局として議長の後ろに座っている弁護士の判断を仰ぎます。

 

ちなみに、一般的には以下のように判断されています。

(範囲内外を〇✕で示します)

剰余金の配当の増額・減額提案
役員選任議案における候補者の変更(取締役が推薦する候補者以外の候補者を株主が推薦する)
「〇〇を候補者から外す」
「候補者として〇〇を追加して、選任人数を14名から1名追加して15名にする」
役員報酬議案における報酬枠の増加枠の減額修正提案
報酬枠の増額提案
定款変更議案において、その中の一部を変更しない旨の提案
変更箇所を追加する提案
事業目的を追加する定款変更議案において、追加事業の削除提案
原案以外の事業を追加する提案

 

提案された修正動議の内容が、許容される範囲を超えていないかなど、修正動議としての適法性の判断が必要になるのですが、瞬時にきちんと判断するのはなかなか難しいです。

 

そのため、実務上はあまり修正動議の適法性や内容には深入りせずに、修正動議として扱ってしまいます

 

結果、修正動議とせず 

ただ、今回は修正動議としては扱いませんでした。

 

株主は配当性向について40%にするということは触れていましたが、原案に書かれているのは配当は1株あたり60円とさせていただきたいということです。

配当性向について記載されていないので修正する内容がないということですね。

 

株主は配当性向40%となった場合の配当金額を前もって計算しておいて、例えば「1株あたり60円ではなく、120円に変更してくれ」と言っておけば修正動議として扱ってもらえたんだろうと思います。

 

ちなみに、管理人は「とりあえず修正動議として扱っておくんだろうなぁ」と思いながら株主の発言を聞いてたので、ちょっと驚きました。

 

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修正動議とした後の流れ

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仮に修正動議として扱われたとしても、よほど賛否が微妙な場合を除き、ほとんど原案が可決される運命です。

 

総会開催前に、事前に議決権を行使をしてもらい、原案の賛成票を固めておいてしまうからです。

 

そして修正動議として扱ったとしても、原案の採決を先にして可決させることで、修正動議を自動的に否決にしてしまうのです。

 

 <修正動議の否決までの流れ>

  1. 議長は原案を先に審議することで問題ないか株主に諮る
  2. 株主拍手(承認)
  3. 原案を先に審議
  4. 原案可決
  5. 原案が先に可決してしまったので、修正動議は審議するまでもなく自動的に否決

 

今回はこのような流れをとらず、修正動議として扱わなかったわけですが、議長も落ち着いていましたし、相当準備して臨んでいる印象を受けました。

 

ANAの総会会場には巨大モニターが2面設置されており、発言している答弁者や株主の姿が映し出されます。

 

修正動議以外の質疑応答のやり取りを聞いていても、答弁者はしっかりと株主の方を見ながら堂々とした声で、自分の言葉で語っていました(おそらく演台にはモニターがあってカンペが表示されているはずですが、答弁者の目線は下ではなく株主の方を向いていました)。

 

こういうのが株主に響くんですよね。安心感や信頼感が変わってきます。

株主総会に出席すると、こういった経営者のすごさを見ることができていいですよね。

 

 

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