ステート・ストリートが提供するスパイダー・ゴールド・シェア(GLD)は、世界最大の金のETFです。
<目次>
基本情報
- 名称:SPDR® ゴールド・シェア
- ティッカー:NYSE:GLD 東証:1326
- 経費率:0.40%
- 配当:なし
- 運用方針:金地金価格の動向を反映させる
2004年11月に、ニューヨークに上場しており、ティッカーはGLDです。
分かりやすいですね。
東京証券取引所にも2008年6月に上場しています。こちらのティッカーは1326ですが、まず覚えられませんw
また、金は株式・債権などとは異なり、付加価値を生み出すものではないため、配当はありません。
ちなみに、ETFの裏付けとなる金の現物は、ロンドンにあるHSBCの金庫できちんと保管されています。
↓↓この動画にはHSBCの内部が映されています。大量の金に圧倒されます。
ポートフォリオにおける金の役割
金をポートフォリオに組み込むことで以下の効果があります。
分散投資によるリスクの低減
ポートフォリオに一定額組み入れることで、ボラティリティを低下させ、全体的なリターンを上げる効果があります。
これは、過去25年間にわたって、株式・債券・コモディティとの相関が比較的弱かったことから、分散効果が得られるためです。
(相関係数・・・ 株式:-0.01、債券:0.19、コモディティ:0.44)
金はヘッジにもなる
過去、株式等の資産が下落している中、金の価格は値下がりせず、逆に上昇してきた実績があります。
有事の時には金が買われる傾向があります。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの取締役であるコリンズ氏曰く、長期的なリターンが最も高かったのは、株式・債権・金の比率を6:3:1にした時とのことでした。
(2018年4月21日開催のモーニングスターセミナーにて)。
ちなみに、GLDは、ウェルスナビ のポートフォリオにも入っています。
リスク許容度5の場合は、8%の組み入れ比率です。
金価格の主な変動要因
実質金利の影響
実質金利の上昇は金のパフォーマンスにマイナスの影響が出ます。
ワールドゴールドカウンシルのデータによると、実質金利が0%~4%であればプラスのパフォーマンスですが、4%を超えてくるとマイナスパフォーマンスになっていました。
米国の利上げは金のパフォーマンスにはあまりよろしくないということですね。
世界経済の成長によって上昇
ただし、金の価格は、世界経済の成長にともない上昇もしくは下支えすると言われています。
理由としては、経済の成長にともない、金の宝飾品を購入する人達が増加するからです。
世界の金需要の内、半分弱は貴金属によるものです(2016年は47%)。その内、半分は中国とインドの人々が買っているとのことです。
また、宝飾品のみならず、スマホやタブレットなどの内部基盤に金を使用している商品・技術の需要や、貯蓄の増加にともなう金地金や金貨の需要も増加すると言われています。
東証とNYのどちらで買うべきか?
手数料の面から東証で買うべきでしょう。
東証の場合は、現物取引の手数料で購入することができますが、NYの場合は、円からドルに交換する際の為替手数料がかかるほか、ETFの購入手数料も国内に比べて割高です。
なお、GLDは米ドル建てとなるため、円に戻す時のレートによってはマイナスのパフォーマンスになるリスクもあります。
チャート
1326とGLD各々のチャートです。
東証1326
ニューヨークGLD
5年間の週足で見てみますと、2016年初めに底を打ってから比較的安定的に推移しています。
特に2017年は右肩上がりの堅調な相場で、東証は+7.3%、GLDは+11.4%でした。
金は、地金や金貨で買えば、市場価格に連動した価格で保有できますが、輸送や保管、売買の手間や盗難などのリスクを考えると、ETFでの保有がおすすめです。
繰り返しになりますが、金はメインの投資先にはならないものの、数%程度を組み込むことでポートフォリオの安定度を高められると考えます。