「株式等の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」にて検討されてきた、株式の売買成立後から受け渡しまでの期間を3日から2日に短縮化について、実施日を2019年7月16日(火)とする旨の発表がありました。
概要
現在は、株式を購入すると約定日(T)から3日後(T+3)で受け渡しがされます。
それが、2019年7月16日(火)の約定分から、2日後(T+2)となります。
制度変更の目的
2017年10月26日付のリリースでは、「我が国市場の決済リスク削減及び国際競争力の維持・向上といった観点」とあります。
これだけ読んでも良く分からない書きぶりですね。
平たく言うと、、、
決済リスク
受け渡しを行う3日間の間に何かしら事故などが発生して、きちんと受け渡しができなくなるというリスクです。
短縮化によってこのリスクを減らそうということです。
国際競争力の維持・向上
世界では既に短縮化は進んでおり、遅れていた日本には、
「このままじゃ欧米・アジア主要国の中で最も遅れた市場になってしまうかもしれない!」
という危機感がありました。
《米国・欧州・日本における短縮化の状況》
上の図のとおり、各国は日本に先駆けて短縮化を行っています。
日本では、2015年9月から短縮化を検討してきて、やっと目途がついたところです。
個人投資家にとってどんな影響があるか?
想定されるの影響は以下のとおりです。
権利確定日が1日後ずれになる
優待や配当を狙っている人は注意なのですが、権利確定日が1日後ろ倒しになります。
まぁすぐに馴れると思いますが。
資金の流動性が上がる
これはメリットとなりますが、株式の受け渡しが1日早くなれば、それだけ資金が流動的に使えるようになります。
例えば、クロス取引を行い権利確定日だけ株を保有したとしても、今までは3日間資金が拘束され、その間は出金したりIPO資金に充当もできませんでした。
それが1日早くなれば、複数の口座に資金を移しながらIPO抽選に臨んだりするのもやりやすくなりますね。
取引所は今後一年かけて、システムの不具合等が起こらないようチェックしながら準備を進めていきます。
証券会社はシステム対応等で大変そうですね。
特にデメリットは考えられないので、問題なく実現してもらえればと思います。