レイセオン(RTN)はアメリカを代表する軍事企業で、トマホークやパトリオットなどを製造していることで有名です。
<目次>
Raytheon社の概要
1922年7月7日にマサチューセッツ州ケンブリッジで創業された企業で、当初の社名は「American Appliance Company」でした。「レイセオン」という名前の整流器の製造から始まったそうです。
その後、第二次世界大戦では、レーダーに使われるマグネトロン・チューブを米国と英国に供給し(全体の80%を供給)、戦争後は電子レンジを発明したことで一躍有名になりました。
現在は、統合防衛システム事業、インテリジェンス・情報システム事業、ミサイルシステム事業、宇宙・航空機搭載システム事業、フォースポイント事業(サイバーセキュリティ関係)と事業を拡大しています。
中でも、巡行ミサイルのトマホークや地対空ミサイルのパトリオットを製造していることで有名であり、そのことが株式市場でも売買の材料となっています。
業績
業績は、売上高・営業利益ともに数%程度の増加で推移しています。
ここから大きく成長することはないと思われるものの、営業利益率が約13%程度と高く、また増加基調でもあります。
(出典:Stockclip)
チャート
10年の月足チャートですが、キレイな右肩上がりのチャートです。
2013年から株価が上昇を始め、現在までおよそ4倍となり、未だ上場来高値を追い続けています。
株価が急騰
上記のとおり、株価は安定的に右肩上がりのチャートを示していますが、昨今のシリアとの紛争が材料視されて株価がさらに急騰しています。
2018年4月13日に、トランプ大統領は、シリアのアサド政権に対して米軍が攻撃したと発表しましたが、この攻撃で使用された兵器もトマホークミサイルです。
今回発射されたトマホークの数は105発とのことですが、1発の値段がおよそ90万ドル(約1億円)と言われており、今回の攻撃だけでおよそ9,500万ドル(約100億円)を使った計算になります。
凄まじいですね。。
株を保有する安心感
業績の爆発的な伸びはあまり期待できませんが、国防の観点からレイセオンは米国にとって不可欠な企業であるため、業績は安定感があります。
2018年4月13日時点の株価222.01ドルで計算すると、PERも23%程度で割高でもなく、チャートも理想的な形を示していることから、買い目線でいます。
そして紛争勃発により、他社の株価が下がる中、レイセオンは材料視されて逆に騰がる可能性も持っています。
ESG投資の流れは忘れないでおく
懸念するところと言えば、昨今のESG投資の盛り上がりから、レイセオンのような軍需製品を扱う企業への投資を控える動きが起こるかもしれないということですね。
ESG投資を標榜するGPIFの2016年度末のポートフォリオを見てみると、レイセオンの株式もしっかりと2,649,725株(当時のレートで450億円分)保有していますが、今後公表される2017年度末ポートフォリオで株数を極端に減らしていたら、その後の流れに注意ですね。