塵積む者のマネーブログ

資産運用で、もがき楽しむ日々をブログに綴っています。 米国株・日本株や投資信託への投資、株主優待の取得をコツコツと行いながら、少しずつ山を築いていきます。


オリンパスがValueActから役員を受け入れて株価は爆上げ!

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こんにちは、コーディーです。

 

オリンパス(7733)が、2019年1月11日に発表したリリースを受けて、株価が1月10日終値3,645円から、16日終値4,475円まで+22.8%の大幅上昇を見せています。

(リリース⇒「真のグローバル・メドテックカンパニーへの飛躍を目指した企業変革プラン「Transform Olympus」の策定及び代表取締役の異動に関するお知らせ」

 

リリースの中での注目点は、海外アクティビストであるValueAct Capital Management L.P.から取締役を迎え入れることを決定したことで、企業自らの意思でアクティビストから取締役を招聘した事例は日本では初めてです。

<目次>

 

 

オリンパスの発表内容

オリンパスは、抜本的な変革プランとして「Transform Olympus」を策定するとともに、代表取締役の異動を決議しました。

 

「Transform Olympus」の概要

このプランで掲げられたのは以下5点です。

① グローバル・グループ経営執行体制の構築

② 人事マネジメントのグローバル統一化

③ 医療事業の再編成(「Transform Medical」)

④ 取締役会のダイバーシティ化

⑤ 指名委員会等設置会社への移行の係る検討

※詳細は、オリンパスのリリースをご確認ください

 

ValueAct社から取締役を招聘

ここで注目は、④の取締役会のダイバーシティ化です。

 

2019年6月開催の定時株主総会において、ValueActのパートナーであるD. Robert Hale氏を取締役候補者として上程すると発表されました。

 

ValueActとは

ValueActは、米国のアクティビストであり、運用資産は約160億ドル(約1.7兆円)を誇ります。

大量保有報告書によると、オリンパスの株式も2018年5月25日時点で17,263,500株(発行済株式総数の5.04%)を保有しています。

 

過激な敵対的行動は取りませんが、実績として、数十社の企業に取締役を送り込んでおり、2014年にはValueAct社の代表だったMason Mofit氏がマイクロソフト(MSFT)の取締役に就任しています(2017年に退任)。

 

D. Robert Hale氏とは

取締役候補者であるロバート氏は、ボッシュヘルス(BHC)とMSCIの取締役に就任した経験があります。

 

オリンパスとしては、ロバート氏に「経験豊富な経営コンサルタントとして、かつ様々な業界における投資家として、グローバル企業の変革に関する知見と共に、グローバルな資本市場やヘルスケア業界における経験を取締役会に提供いただく予定」とのこと。

 

ちなみに、同氏はアイビー・リーグのメンバーであるダートマス大学で優等学位を取る秀才です。

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株価は大幅上昇

オリンパスの公表は1月11日の12:00でしたが、株価はそこから大幅上昇を見せ、1月15日には+700円(+17.5%)のストップ高まで買われました。

 

1月16日は若干下がりましたが、それでも1月10日終値である3,645円からの上昇幅としては+22.8%と驚異的です!

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物言う株主の動向が注目されている

2019年1月16日付の日経新聞朝刊にも出ていましたが、「物言う株主(アクティビスト)」の保有する銘柄に買いが集まっています。

株主還元を期待した投資家が群がっているとのこと。

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海外アクティビストの狙いを正確に把握することは難しいですが、投資先候補の一つとして動向をチェックしておいてもおもしろいかもしれません。

 

 

 

ValuActはCitygroupとも合意を締結

オリンパスが公表した2019年1月11日の同日、ValuActとCitygroup Inc.が「情報交換及びエンゲージメントに係る合意(Information Sharing and Engagement Agreement)」を締結した旨を公表しています。

 

ValuActはCitygroup株式の1.3%を保有していますが、この合意により、ValueActが社内情報にアクセスができるようになり、役員等ともエンゲージメントを行うことで両社の関係性を強化するとのことです。

 

 

このように企業とアクティビストのエンゲージメントは欧米では特に珍しくありません。

株主にとっても投資家の助言等により経営がうまく回り、株価が上がってくれれば特段の問題はありません。

 

今回のオリンパスを皮切りに、日本企業の経営も新たな段階に入っていくのでしょうか。

 

オリンパスが6月の定時株主総会でどのように変革していくのか、竹内新社長の生の声を聞いてみたくなりました。

株の購入を検討してみますw

 

<関連記事>

国内にもエンゲージメントファンドはあります。みさき投資は、企業と一緒になって成長を目指していくファンドで、自分達のことを「働く株主」と呼んでいます。

投資の成功例としてはピジョンが挙げられますが、みさき投資が投資してから株価は大きく上昇しました。

 

アクティビストの保有株数は、有価証券報告書や招集通知では分かりません。彼らは証券会社等を介して株を売買しており、株主名簿上には出てこないからです。

彼らの保有株数を知るためには大量保有報告書を読む必要があります。

 

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