こんにちは、コーディーです。
当ブログでも何度かおすすめしている投資信託として、楽天投信投資顧問が提供している楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)があります。
楽天VTIは、米国に上場している株式のほぼすべてをカバーしているETFであるVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス)に投資するため、言うなれば米国をまるごと買える投資信託と言えます。
リターンもS&P500を上回り、かつ、信託報酬も0.1696%と安いことから多くの個人投資家から人気を集めています。「投資ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」でも第3位でしたね。
そんな楽天VTIですが、2018年9月20日付で公表された楽天・バンガードファンドシリーズの第1期運用報告書において、実際の信託報酬(実質コスト)が0.311%だということが判明しました!
<目次>
実質コストが意外高だった件
実質コストが0.311%ということは、信託報酬の0.1696%以外に0.142%の隠れコストがあったということです。
ブロガーの間でもザワつきました。
※詳細は、以下のしんたろうさんの記事を参照ください。
バンガードから公表された実質コストの内容とは?
実質コストが高かった件について、投資家からも楽天投信投資顧問に対して質問があったそうです。
《質問》
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」および「楽天・全米株式インデックス・ファンド」で確認したところ、当該運用報告書「1万口当たりの費用明細」に記載のある売買委託手数料が、相対的に金額が大きいようですが、何故でしょうか?
これに対して2018年10月5日に楽天投信側から正式な回答が出ましたので、ご紹介します。
結論としてちょっと安心しました。
楽天投信投資顧問からの回答
楽天VTIの純資産総額は2017年9月29日に新規設定してから着実に増えており、それにともない投資家の追加申込みに応じて本家VTIを買い付けています。
その本家VTIの買い付けにともなう売買委託手数料が以下の協会規則に則って計算されたことにより、さらに手数料が増加しています。
売買委託手数料=期中の売買委託手数料 / 期中の平均受益権口数
期中の売買委託手数料
売買仲介人に支払う手数料の期中累積額です。
期中の平均受益権口数
各月末時点の受益権口数を単純平均したものです。ここが実質コストに大きく関わるところです。
報告書では、分かりやすく図示されています。
- 新規設定の0時点から、第1期末で100億口 → 第2期末で200億口に増えたと仮定。
- 平均口数は「(期首口数+期末口数)÷2」で計算します。そのため、各期末時点の平均口数は以下のとおりとなります。
・第1期末:(0+100億口)÷2=50億口
・第2期末:(100億口+200億口)÷2=150億口 - 増加口数は第1期、第2期ともに同じ+100億口であるため、売買手数料も同額となります。売買手数料を500万円と仮定し、1万口を購入したとすると、各期末の売買手数料は以下のとおりとなります。
・第1期末:500万円÷50億口×10,000口=10円
・第2期末:500万円÷150億口×10,000口=3.3円
要するに、各期間の平均値が分母となるため、算出される数値が大きく変わることがあるということです。
ただ、将来的に残高が増えていけば分母である期中の平均受益権口数も増え、それにともない実質コストも下がっていく可能性があるということですね。
コストは気にするべき
長期で保有する場合、微々たるコストの差が、将来、大きな差になって返ってきます。
投資を始めたばかりの時は保有残高が少ないためあまり気にならないかもしれませんが、残高が1,000万円を超えてくるとコンマ1%の違いが、金額面で年間1万円の変動を生み出します。
そのため、投資家はできるだけ安いコストの投資先がないか目を光らせているわけです。
楽天VTIの積み立ては、これから先、数十年にわたって継続しようと考えているため、今後できるだけコストが下がっていくことを期待しています。
<関連記事>
本家VTIと楽天VTIの違いについてまとめています。 投資方針によってどちらを選ぶかが変わってきます。
Fund of the Year 2018に初投票しました。
もちろん楽天VTIにも投票しましたよ!
楽天証券で、積み立て投資の買付金額を楽天カードで払うだけで、買付額の1%分の楽天スーパーポイントが入ってきます(上限として月5万円)。
年0.1%のコストダウンが10年続くと考えると大きいですね。