こんにちは、コーディーです。
上場企業が株主対応を行う際、意識されているのが「株主平等の原則」です。
この原則に基づき、持株数に基づいて配当が支払われたりするのですが、株主優待制度については持株数に比例していないため、一見すると平等に対応されていないように見えます。
問題ないのでしょうか?
今回はこの件についてまとめてみたいと思います。
<目次>
株主平等の原則とは
会社法では、「株式会社は、株主に対して、保有している株式の内容と数量に応じて、平等に取り扱わなければならない」と定められています(法109①)。
これは、具体的には配当を受け取る権利のことを指しています。
配当金は、「持株数×1株当たり配当金」で計算しますが、持株数に比例して配当金の額が変動するという、誰が見ても分かりやすく不公平感はありません。
株主優待制度の内容は解釈の問題
各社の株主優待制度の中身を見ると、配当金とは異なり、持株数に比例していないことが分かります。
例えば、ある会社が、100株以上を保有する株主に対して食事券を1枚提供しているとします。
株主の中には、100株を保有している株主もいれば、1,000株を保有している株主もいます。
しかし、持株数が100株でも1,000株でも、提供される食事券は1枚で、持株数に比例した取り扱いとなっていません。
持株数の増加に応じて、優待の内容がグレードアップする会社もありますが、それでも完全に比例しているとは言えません。
法的には問題ない?
これは会社法の「株主平等の原則」には合致していないようにも見えますが、問題ないのでしょうか?
結論としては、提供されている株主優待が合理的限度・社会的妥当性を逸脱しない範囲であるならば適法であると考えられています。
どこまでが適切な範囲なのかは株主の意思等を考慮しながら、会社が決めるということですね。
このように考えると、上記の例のように株主優待の内容が、持株数が多くても少なくても同じとしている会社については、将来的には持株数に応じた優待制度に変わるかもしれません。
それには株主からの声が重要になってきます。