こんにちは、コーディーです。
現在の不安定な株式市場では、個人投資家の中には「このまま景気後退期に突入して、株価の暴落が起こったらどうしよう」と不安な気持ちになっている方も多いかと思います。
もし本当にこのまま反発することなく、増え続けていく含み損に耐え続ける「地獄のような毎日」に陥ったとしたら、精神的に耐えられそうですか?
ある考え方が一つのヒントになると思いましたので、概要をご紹介します。
<目次>
SOC(Sense of Coherence)という考え方
「健康生成論」が生み出される
ユダヤ系アメリカ人の医療社会科学者であるアーロン・アントロノフスキー博士は、ナチスドイツの強制収容所に収容された経験を持っていたにもかかわらず、更年期を迎えても良好な健康状態を維持することができていました。
博士は、自分自身が健康であり続けることができたということをヒントに、その理由を探る研究を行いました。
研究を続けていく中で、ナチスドイツの強制収容所の体験有無によって、更年期における心身の健康状態に、以下のような差があることが分かりました。
体験していなくても良好と不良が半々の結果というのは突っ込みどころですが、ここで見るべき点は、強制収容所を体験した人達の内30%の人々が良好な健康状態を保っていたことです。
博士は、この人達が健康な状態を保つことができた要因に注目し、調査・研究を続けた結果、「健康生成論」を生み出しました。
「首尾一貫感覚」が重要
健康生成論では、健康を維持するパワーの源となる感覚として「首尾一貫感覚」が重要であるとされています。
これがSOC(Sense of Coherence)です。
SOCを持つことによって、強いストレスがかかる状況に陥っても、その状況をうまく対処でき、健康な状態を保つことができます。
SOCは3つの構成要素から成り立っている
SOCは、以下の3つの要素で成り立っています。
- 把握可能性(comprehensibility)
⇒自分が置かれている状況を把握し、今後の状況をある程度見通すことができるという感覚。 - 処理可能性(manageability)
⇒「自分はできる、なんとかなる」という感覚。 - 有意味性(meaningfulness)
⇒苦しい状況の中でも、現在のストレスに対処することや日々の営みに意味ややりがいを見出せる感覚。
この3つの感覚を高めることでストレス対処能力が上がるとされています。
相場が苦しい時にどうするか?
SOCを高めるには
SOCは、職場でのストレス対応に引き合いに出されることが多いのですが、今回は相場に当てはめてみたいと思います。
相場の世界でSOCを高めていくには、相場に関して勉強するしかないと考えています。
きちんと勉強することで、自分の置かれた状況が把握できていれば、SOCが高まり、気に病むことは減っていくでしょう。
例えば、以下のような感じです。
- 「この下落はなぜ起こっていて、他にどこに影響を与えるのか?」など、要因・影響が認識できている(把握可能性)
- 「自分のPFはヘッジ売りもしているし、30%下落しても問題ない」と自分で処理できているという認識と自信を持っている(処理可能性)
- 「相場は苦しいけど、下落相場で儲ける勉強になる!空売りを極めよう」など、キツイ中でも意味を見つけられている(有意味性)
自分の置かれた状況が良く分かっていないまま右往左往するだけだと、ストレスがかかるだけでなく、焦って雑なトレードをして大きな痛手を被ることになります。
何が起こっているのか、どうすれば良いのかを試行錯誤しながら継続して勉強する必要があるということです。
もし勉強を続けたくなかったり、勉強しても良く分からなければ無理にトレードするのではなく、投資信託の積み立て設定をして、あとは忘れてしまうことです。
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ハイテク関連銘柄の下落が激しい中、ディフェンシブ銘柄が持ちこたえていますが、本格的な景気後退期に突入したら、それもまとめて売り込まれていきます。
その時が来たら、どう対処するのか前もって考えておく必要があります。