先月、RPAについての記事を書きましたが、今回はその効果について、補足の意味も込めてもう少しまとめておきたいと思います。
結論から言うと、企業にとってメリットしかないです。
RPA対応の効果
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ホワイトカラーの仕事をロボットに代行してもらうことによって、業務の自動化や効率化を図る取り組みのことを指します。
RPAは既に、およそ100社の企業で採用されており、実際に稼働しているロボットの数は約4,000と言われています。
RPAは、一言でホワイトカラー業務と言っても、相当量の顧客情報等を入力・チェックするような作業などで大きな効果を発揮します。これは「ビジネスプロセスロボット」と呼ばれるものですが、他にも価格や特許検索などを行う「情報調査ロボット」やブログやSNSを投稿する「マーケティングロボット」など、多様なロボットが稼働しています。
RPAの導入効果の例として
生命保険会社や銀行などでは、多くの顧客と契約を交わしたり、問い合わせを受けたりすることで、日々社内に情報を登録する業務が発生します。
その情報を適切に運用するためには、きちんとした管理が必要になりますが、社内のデータベースなどに登録するのは、今までは人手に頼るしかありませんでした。
RPA導入により、以下のとおり人件費や事務所維持費用の面で、コストダウンが図れます。
RPA導入前はどうだったか
- 社内のデータベースに登録する人、登録された人とは別にチェックする人、間違いのないように再度チェックをする人など、多くの人手が必要であった。
ある会社では総勢80名程度で業務を行う必要があった。 - 人を集めるためには、どうしても都心部に事務所を設ける必要が出てくるため、事務所の維持にかかるコスト(賃料や管理会社に払う費用など)がかさんでくる。
- 都心部で人を集めようとすると、地方と比べ人件費が高い。
RPA導入後の効果
- 情報の登録とチェックの業務をロボットが代行するため、人手が少なくて済む。
上記の例では、80名を13名まで減らすことができた(▲84%)。 - 人を集める必要がなくなるため、必然的に事務所を都心部に構える必要もなくなり、地方に移転できる。これにより、人件費のほか、事務所の維持コストも安く抑えられる。
ロボットの良さとは
ロボットを採用するメリットを、ざっくりと以下に挙げてみます。
- 業務の処理スピードが速い。
- 一度きちんとした手順をプログラミングすれば、うっかりミスなどは起こらない。品質の良さは、三菱UFJフィナンシャル・グループや日本生命などで導入されていることからも明らか。
- 人間よりもコストを安く導入可能(1ロボットで年間100万円あたりが目安のようです)。
- 疲れ知らずで、24時間365日、残業代も休日手当もなく、ずっと働き続けられる。特に人間が眠る夜間に働いてもらえば電力も安いため、光熱費のコスト削減も可能。
- 人間だと採用するのにもコストと労力が必要であるが、ロボットには採用コストが発生しない。
- ロボットには退職や転職もないため、引継ぎによる質の変動や情報漏洩リスクもない。
このように業務をロボットに代えることのメリットは大きく、これからもどんどん普及が進んでいくでしょう。
同じように、株式市場でもRPAは息の長い材料となりそうです。
ただ、本命のRPAホールディングス株式会社(6572)なんかは、2018年4月9日の終値が19,480円で、PERが369.64倍!まで買われており、期待を織り込み過ぎている感がしているですが、まだ高値を狙っていくのでしょうか。。
◆先月書いた記事です。