先日、初めてトラスコ中山(9830)の招集通知を受け取りましたが、従来の招集通知の構成に見慣れた身としては新鮮で驚きがありました。
良かった点
- 取締役候補者一人ひとりが自分の言葉でビジョンを語っている
⇒これはいいですよね。株主にとっても社員にとっても。経営者の考えている会社の方向性が具体的に見えますから。
- 社外役員の「重要な会議等での意見例」が具体的に書かれている
⇒事業報告ではなく、参考書類に書かれていました。
発言内容を細かく記載する会社は少ないのですが、テープ起こしのように具体的に書かれています。発言する方は緊張感ありますね。
- 法定記載事項を超えた内容
⇒法定記載事項以外の内容(IR活動やCSRの状況など)も盛り込むなど、招集通知を超えた、いわば統合報告書になっていますね。株主に対して会社をもっと知ってもらいたいということがヒシヒシと伝わります。
あえてコメントするならば、従来の招集通知と構成が異なり過ぎて、欲しい情報が探しづらく感じました。
- 全ページオールカラーで写真やグラフも多用
⇒近年はビジュアル化が進んでいますが、未だフルカラーは少数派です。ページ数は64ページあり、印刷代も結構かかったんじゃないですかね。
などなど、色々と工夫しながら作成されていたのですが、ここまで細かく書いてもらうと株主としては理解が助けられますし、「この会社何か隠してるんじゃないか」と不信感が出ることもないでしょう。
そんな中でも衝撃的だったのが、役員の評価制度の記載でした。
ここまで具体的に書くのかと。
トラスコ中山の役員評価制度
- トラスコ中山では、業務執行取締役候補の選任基準の一つとして、オープンジャッジシステム(360度評価)を採用しており、重要な会議等での発言は全社員に共有されています。
- 投票者である全国約150名の役職者からの評価結果により、取締役候補への昇格や、逆に取締役・監査役からの降格が判断されます。
(降格もあるんだ・・・恐ろしや・・・)
- 評定は①~⑥まであり、①経営感覚・先見性、②リーダーシップ、③コミュニケーション能力、④公平・公正、⑤独創力、⑥問題解決能力、です。
一番評価が難しいのは③コミュニケーション能力ですかね。投票者はどのように優劣を判断するのでしょうか。気になります。
評価結果は株主にも開示される
参考書類に取得した点数がばっちりと書かれています。丁寧に平均点まで。
一般的な日本の会社は社外に公表するのは嫌がると思いますが、外部にも開示するという潔さ。すごいですね。
役員になると毎日緊張感で胃が痛くなりそうですけど、ここまでやることで甘え無く、常に先を見据えて行動できるようになるのでしょう。
3月9日(金)午前10時からの株主総会にも出席したくなりました。