単元未満株式を売買したことありますか?
SBI証券が2017年9月から扱っている「S株Now!」というサービスがおもしろい試みだったので、単元未満株式取引のメリット・デメリットとともに、ご紹介します。
※2018年4月29日追記・・・「S株Now!」は「テーマキラー」に名称変更されています(関連記事 ⇒ SBI証券の「S株Now!」が「テーマキラー!」になって変わった点は? )
【目次】
1.まず、単元未満株式とは
1単元に満たない端数株式のことを指します。
例えば、1単元=100株の銘柄の場合、99株以下の株式のことを指しますが、会社が株式分割や単元の変更などを行うことで発生します。
どうやって売買する?
証券取引所で売買する際の単位は1単元からと定められているため、単元未満株式を売買したい場合は、発行会社に対して買取請求や買増請求を行うか、単元未満株式取引サービスを行っている証券会社と相対取引を行います。
以下に取り扱いのある証券会社を一部抜粋しましたが、印象に残りやすいようにか各社で単元未満株式の呼称を色々と考えてますね。
後発の証券会社は使える呼称が限られてきて、考え出すのが大変ですね。
- SBI証券 S株
- マネックス証券 ワン株
- 大和証券 ミニ株
- カブドットコム証券 プチ株
なお、証券会社との相対取引ということで、ザラ場では取引できません。以下のとおり
事前に注文を出しておき、始値で成行注文されます。
発注から約定まで時間が空くので、想定していた取引価格よりも大きく動くリスクがあります。
【SBI証券における取引時間】
単元未満株式の権利
単元未満株式を保有した場合、株主であることは確かですが、単元で保有した場合と比べて受けることのできる権利が少なくなります。
個人投資家に影響の大きな内容を抜粋すると、、
- 配当金は受領できる
- 1単元につき1つの議決権となるため、議決権は与えられず株主総会へは出席できない
- 株主優待は多くの会社で1単元以上の保有を条件としているためもらえないことが多い(テルモ(4543)など単元未満株式OKの銘柄もあり。)
2.「S株Now!」まとめ
前置きが長くなりましたが、SBI証券のサービス「S株 Now!」についてです。
- 5つの特徴が挙げられていますが、ポイントとしては金額を指定し、テーマに関連する銘柄に単元未満株式を使ってまとめて投資できるサービスだということです。
テーマは、株式会社みんかぶの市場動向等の分析結果をもとに選定され、毎月末に更新されます。 - 10万、20万、30万のパックが用意されており、あらかじめ銘柄と株数の配分は設定されています。ただし、自分で数量を調整することも可能です。
【テーマ例・・・冬季五輪】
メリット
- テーマにあった銘柄があらかじめ選定されているため、そのテーマにまるごと投資するという直感的な投資が可能。
- 投資額によって銘柄の構成比が自動で決められているため、自分で発注数量を検討する手間を省ける(良いか悪いかは別にして)。
- 資金量が少ない場合でも、複数の銘柄に投資することが可能(S株でも個別に発注することで可能だが)。
デメリット
デメリットは、「S株Now!」についてというよりも、単元未満株式の取引全体について挙げられます。
- 上述のとおり、単元未満株式はザラ場で売買できず発注から約定まで時間が空くため、価格変動のリスクが高くなる。
- 手数料が高額であること。SBI証券の場合は約定代金の0.5%で、売却時も含めると往復1.0%です。手数料の上限も決められていません。
- 資金がある場合は、単元未満株よりも単元で保有した方が株主の権利としてのメリットが多いため、あえて使う必要性がない。
3.利用するか?
おもしろいサービスと思いましたが、メリット・デメリットを天秤にかけると投信やETFへの投資の方に軍配が上がり、利用は見送っています。
ただ、株式市場で流行っているテーマとそのテーマの盛り上がり具合が一覧で把握できるほか、関連する銘柄を知ることができるため、テーマの勉強や銘柄選定に活かしていこうと思います。
(2018年4月29日追記)
「S株Now!」は「テーマキラー!」に名称が変わりました。
その他の変更点としては、一括売却が可能となったことです。